意欲(術後47日目)
今日は、倒れた日のことを初めて聞いた。
その日、台所の電球を取り替えようと椅子に登って手を伸ばしたとき、突然、頭痛が襲ったらしい。
床に転がって頭を押さえているときに、ちょうど父が床屋から帰ってきたという。
そして、そこから先の記憶は無いそうだ。
ここまで、記憶をさかのぼって話したのは初めてだった。
それだけ、意識がしっかりしてきたのだろう。
引き出しに週刊誌が入っていた。近所のタカダさんが持ってきてくれたらしい。
会いに来てくれたとき「わかるー?」って言われたから
「わかんない。」って言ったんだなんていう。
冗談を返せるほど余裕が出てきたようだ。
理解してるかどうか謎だが、週刊誌を熱心にめくり始めた。
雅子さまと、愛子様の記事などを熱心に見ている。
細かい説明文は読んでないみたいだが、見出しを見て楽しんでるようだ。
意識の方は、日に日にしっかりしてきているような気がするのだが、
歩くほうが進まない。
「リハビリで歩いてる?」と聞くと、
先生が背中を吊ってくれて、どうにか歩くんだといっていた。
「まあ、治るんだか、どうかわからないけどね。」
まだ、歩くことに自信がもてないようだ。
「先生がリハビリやればちゃんと治るっていってたから、大丈夫だよ。」そう励ましてみるが
「そうかなぁー?」と、やや疑わしげ。
「お母さんは、本当に運がよかったんだよ。手足が動いてるんだから。」と言うと
「そうかなー、運がよかったんなら、がんばらなきゃいけないね。」
と口では言うが、あまりやる気がなさそうな言い方だった。
トイレも病室の目の前にあるのに、行く気がないようだ。
ナースコールを押せば看護婦さんが連れて行ってくれるんだよ。
と言っても、「歩けるようになれば自分で行くからいいんだ。いちいち呼び出すと、看護婦さんに迷惑かけるから。」なんて言っている。
オムツを取り替えてもらう方が大変だと思うのだが、そこまでの考えはまだないらしい。
足にクリームを塗ってあげたとき、ふくらはぎがぶよぶよになっているのを気にしていた。
「筋肉落ちちゃったからねー。歩かないと筋肉はすぐ落ちるからね。足首をまげる運動した方がいいよ。」と教えても、やる気なし。
手を添えて、1、2、1、2と掛け声をかけ、足首を動かすとやっと自分で動かし始めた。
弟の話によると、以前はリハビリ自体も嫌がっていたらしい。
リハビリの先生が迎えに来ても、行かない日があったそうだ。
それに、病院では上げ膳据え膳で、皆に世話を焼いてもらって楽だ。
なんて言っているという。
確かに、爪を切ってくれ、とかテーブルふいて。とか要望が多い。
人にやってもらえることは、やってもらいたいと思っている感じがする。
「自分で拭かなきゃね。」と言ってテーブルを拭かせたが、
なんかしぶしぶ拭いている感じだった。
まだ、術後1ヶ月半なので、体が辛いのかもしれない。
でも、リハビリは早ければ早いほど良いと聞いている。
もっと歩きたいという意欲を持ってもらいたいが、どうしたらよいものか。
むやみに「がんばれ」と励ますのも逆効果のような気がするし。
孫でもいれば、励みになるのだろうが、孫もいない。
糖尿なので、食事の差し入れもできない。
年寄りに意欲を持たせるのは、大変だ。
今度は、旅行のパンフレットでも持って行ってみよう。
| 固定リンク

コメント
ちゃんと自分が倒れた時のことを覚えていらっしゃるとは凄いですね。僕は全く覚えてませんでしたから。
脳卒中で入院したのをきっかけに認知症が始まってしまう人も多いそうですね。やはり何でも人にやってもらえるのがかえって良くないのかも。どこかの病院で、ワザと患者に何でも自分でやらせる病院があるとTVで見たような気がします。
投稿: マチベー | 2006年5月 4日 (木) 21時39分
>マチべーさん
日記に倒れた時の話が載っていたので、ばっちり記憶が残っているのだと思ってました。
わざと患者にやらせる病院!いいですね。
もともと母は、人に言われる前に何でもやってしまう性格だったのですが、今は何でもやってもらいたい性格になってます。
脳のダメージの影響もあるのでしょうが、それに甘んじているのもよくないですよね。そのまま「ボケ」に突入しないよう、策を練って、自発性を付けさせなければ!(^^)
投稿: りんご | 2006年5月 5日 (金) 00時56分